社会保険労務士 江尻育弘
予想される高齢者雇用を取り巻く環境変化。
1、当面60歳定年制+65歳までの希望者全員雇用の継続雇用制度は維持しつつも、早ければ2021年度にも70歳までの就業機会の確保が努力義務化される。
2、処遇については同一労働同一賃金の影響が出てくることから、従来のように大幅減額という取り扱いは難しくなる。また賃金体系も、その職務内容や能力に応じたものが求められる。
1と2について
処遇については長澤運輸事件の影響から、従来のように大幅減額と言う取り扱いが難しくなります。
県民教養講座の様子
3、高齢者の就労意欲を削ぐとして批判されている在職老齢年金制度は廃止の方向へ。
4、60歳以降、賃金が減額になった際に雇用保険より支給される高年齢雇用継続給付も廃止の方向へ。
3と4について
現在の高齢者賃金の前提となっている在職老齢年金制度廃止の方向であるとともに、高年齢雇用継続給付の廃止見直しが予想される。ということを考え合わせると、60歳代前半の賃金の決め方はもう一度ゼロベースで考えなければいけなくなると思います。
5、65歳以降の就業機会確保義務を見通し、副業・兼業を積極的に認めるような流れも予想される。
県民教養講座の様子
まとめとして
定年後再雇用者の賃金体系は、同一労働同一賃金への対応、高年齢雇用継続給付の見直し、働くことへの意識の多様化などから、定年到達時の○%と言うのではなく、どういう仕事をしてもらいたいか、またどのぐらいの時間数をやってもらいたいか、と言うことで賃金を決めていく。さらに場合によってはそこに兼業・副業が中期的に絡んでくると言うことも予想されるわけです。2000万円問題で国民の働くことに対する関心が高まっているので、そういう環境作りを支援していく必要がありそうです。
以上
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
セミナー受講者の声
今回行ったセミナーの概要
主催 | 一般財団法人 沖縄県社会福祉事業共済会 |
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テーマ | 県民教養講座 労働関係セミナー (働き方改革関連法・同一労働同一賃金等への実務対応) ※本セミナーは終了しました。 |
日時と場所 | 令和元年11月8日(金)14時00分〜16時00分 沖縄県那覇市首里石嶺町4丁目373−1 西棟4階 第7会議室 [地図を見る] |
講師 | 社会保険労務士 江尻育弘 |