上江田晋作
先日、保育園の副主任補佐以上を対象に承認力向上研修を行いました。普段は各クラスに分かれて忙しく勤務しているので、朝顔を合わせたあとは顔を見る機会がないなど、コミュニケーションが不足している状況もあるようです。
組織を活性化させるには「関係の質」を向上させることから始めるのが重要です。そして、その「関係の質」を向上させるには、「承認」が効果的です。ほめられると悪い気はしませんが、それが本物の自信になるとは限りません。「ほめる」「感謝する」は「承認」の一部で、そのほめられる範囲やタイミングも限られています。また、人によっては「ほめる」べき行動とほめるほどでもない行動とポイントも変わってきます。しかし、「承認」は相手の「存在」や「行動」、「結果」の事実に着目してを認めるので、いろいろな場面で行えます。また、事実について相手に伝えるので、相手自身が知らなかった面も気づかせることができ、それが自信にも繋がります。
『会社のトップや管理職は、いつも自分の部署のスタッフに関心を持ち、その動きを見ていることだ。しっかりと見ていなければ小さな”いいこと”は見つけられない。』と柴田秋雄氏(元ホテルアソシア名古屋ターミナルホテル(JR東海子会社)の代表取締役専務総支配人。ホテルの赤字からの脱却や再生は著書やドキュメンタリー映画にもなっている)が述べているように、「承認」をきちんと行なっていくためには、まずは相手に対する興味・関心を持ち、小さなことでも見逃さないようしっかりと見る必要があります。また、今回の研修でも各職員に選んでもらいましたが、自分の「承認のツボ」を共有し、理解しておくと今後関係性をうまく構築していくことの手助けにもなります。(特に部下がいる方は重要です。)
承認の一番の基礎は相手の存在を認めることです。あいさつや会話を交わし、相手の存在やありのままの事実を認め、こちらの気持ちを素直に伝えることから始めて、少しずつ相手の行動や結果に対して承認できるように心がけて習得していきましょう。